私のクリニックでの取り組み

患者さんの生活習慣や栄養摂取状況を見据えた診療を実践

東京都千代田区 【 みきクリニック市ヶ谷 】
理事長 多久嶋 美紀 先生

みきクリニック市ヶ谷(東京都千代田区)は、美容外科・美容皮膚科、形成外科、皮膚科を標榜されているクリニックです。同クリニックでは、標榜科に関わる治療を行うとともに、血液検査に基づく栄養補充療法にも取り組んでおられます。理事長の多久嶋美紀先生、薬剤師の藤本由紀さんに、診療方針とあわせて患者さんへの栄養指導や栄養不足への対応のポイントなどを伺いました。

みきクリニック市ヶ谷 美容外科・美容皮膚科・形成外科・皮膚科
理事長 多久嶋 美紀 先生、薬剤師 藤本 由紀 さん

皮膚科、形成外科、在宅医療の多様な経験を活かしての開業

理事長 多久嶋 美紀 先生
理事長 多久嶋 美紀 先生

はじめに理事長の多久嶋美紀先生に、開業に至るまでの経緯ついて伺いました。

「私は卒後、熊本大学医学部皮膚科学教室に入局しましたが、2年後に東京大学医学部形成外科学教室に移りました。当時、新しい領域の医療がしたいという思いが強く、皮膚科領域から比較的新しい領域であった形成外科の道に進むことを決意しました。

 その後、複数の病院で実地医療の経験を積み、東京都足立区で在宅医療に力を入れていたクリニックでは院長として勤務しました。そのクリニックでは午前は皮膚科外来、午後は往診というスタイルで、様々な患者さんの診療に携わりました。そこで得た経験は、開業後の診療にも活かされています。往診の特徴的なことに患者さんの病状だけでなく、生活習慣や社会的背景(経済状況など)までを考慮し、治療にあたらなければならないということがあります。この視点は現在の診療でも重視しており、患者さんの主訴だけでなく、日常生活についても可能な限り把握するよう心がけています。

 開業の直接的な動機としては『在宅医療など、これまでの経験を踏まえて自分の思う診療をしたい』ということと、『形成外科の経験を活かした治療がしたい』ということがありました。美容外科は形成外科から発展した診療科であり、また、クリニックの規模でも施術が可能であると考え、2003年に美容外科・美容皮膚科、形成外科、皮膚科を標榜し、開業しました」(多久嶋先生)。

日常生活を振り返って頂きながら疾患の原因を究明

薬剤師 藤本 由紀 さん
薬剤師 藤本 由紀 さん

 次に、みきクリニック市ヶ谷における診療方針について伺いました。

 「研修医時代に『疾患はありふれたものから考えて行く』という指導を受けました。これは多くの人が罹りやすい疾患を想定して診察を開始するということです。まず、この観点から想定した疾患において具体的な対策を講じ、効果が不十分であれば別の疾患を疑い絞り込んでいきます。疾患の原因究明が重要と考えていますので、患者さんご自身の日常生活を振り返って頂きながら診察を進めています。その中で、食事内容や運動などの生活習慣、睡眠の状態などが分かり、改善すべき点も見えてきます。それが治療の第一歩と考えています」(多久嶋先生)。

 同クリニックで薬剤師として従事されている藤本さんは、問診票の内容と患者さんの実際の状態との相違を確認することも大切であると指摘されています。

 「私たち薬剤師が患者さんと面談すると、問診票の内容と本当に悩んでいることとで、相違が生じていることがあります。会話を通してこのギャップを埋めていくことも、医療提供者の役割の一つと認識しています」(藤本さん)。

栄養摂取の重要性を再認識し、栄養療法を導入

 多久嶋先生は通常の診療に加えて、食事指導や栄養不足の対応にも積極的に取り組んでおられます。

 「当クリニックの開業にあたり、複数の美容外科を見学したり、お手伝いを通じて様々な知識を習得させて頂きましたが、その中で再認識したことが栄養摂取の重要性です。そこで、血液検査により栄養状態を詳細に分析し、不足している栄養素を補充する栄養療法を導入しました」(多久嶋先生)。

 同クリニックには小児から学生、ビジネスパーソンまで幅広い層の患者さんが来院されておられますが、近年の栄養摂取における傾向や印象について伺いました。

 「最近の若い女性では、体重増加を避けるために摂取カロリーのみに着目し、菓子類などを好きなだけ食べる代わりに食事を抜くという極端な例も見受けられます。また、働き盛りのビジネスパーソンの中には、食事の時間が十分に取れず、満腹感が得られやすい炭水化物ばかりを摂られるというケースもあります。このような方が少なくないため、栄養療法の指導や栄養療法の啓発がますます必要になっていると感じています」(多久嶋先生)。

皮膚や毛髪のトラブルにおける患者さんへの説明と治療の留意点

みきクリニック市ヶ谷 待合
みきクリニック市ヶ谷 待合

 同クリニックには皮膚や毛髪のトラブルを抱える患者さんも多く来院されています。そのような患者さんには栄養面からの指導もされているそうです。患者さんへの対応と治療について伺いました。

 「当クリニックの周辺には大学や専門学校などが多いこともあり、皮膚のトラブルで来院される女性も多くいらっしゃいます。そのような患者さんに最初にお伝えすることは、『皮膚で起きていることは、体内で起きていることを反映している場合があるため、偏った食生活による栄養不足について知識を習得しましょう』ということです。

 例えば、亜鉛は皮膚や毛髪に多く含まれており、不足すると皮膚炎や脱毛などの皮膚トラブルを引き起こす可能性があることや、亜鉛不足は皮膚のターンオーバー(新陳代謝)に影響し、皮膚トラブルにつながる可能性があることなどをお伝えしています。

 診療では、まず総合的な栄養評価をして食生活の介入を行いますが、症状を見て亜鉛不足が疑われる患者さんには、亜鉛不足である可能性があることをお伝えし、血清亜鉛濃度の測定をお勧めしています。低亜鉛血症治療薬による亜鉛補充療法は2017年から保険適用となり、よりスムーズな説明ができるようになりました。亜鉛補充療法の頻度も増加しています」(多久嶋先生)。

 多久嶋先生は実際の亜鉛補充療法について次のように話されています。

 「亜鉛補充療法を行う前には必ず血清亜鉛濃度を測定し、低亜鉛血症であることを確認しています。また、患者さんには亜鉛補充療法は1年間継続するのが理想であることをお伝えしています。亜鉛補充療法の継続期間中は、定期的に血清亜鉛と血清銅の濃度を測るとともに、悪心・嘔吐などの副作用の発現に注意しています」(多久嶋先生)。

患者さんが自身の体を見つめ直すことから治療が始まる

 最後に多久嶋先生に医療に対する思いを語って頂きました。

 「私も含め、人は自分の生活習慣や体の状態が悪くても気づきにくいもので、また気づくことを無意識に拒んでいる面もあります。そこで私たち医療従事者は、患者さんご自身の生活や体の状態について気づいて頂くお手伝いをし、好ましくない状態であれば、適切な対処法や改善法を提案していくことが重要と考えています。対処法や改善法は一つとは限りませんので、患者さんには提案された中からご自身に合う方法を選択して頂ければ良いと思います。これからも、診療を通じて患者さんには率直に『ご自身を見つめ直してみませんか』とお伝えし、疾患や症状に向き合っていきたいと思います」(多久嶋先生)。

多久嶋 美紀 先生プロフィール

【略歴】
1986年 熊本大学医学部卒業、同年熊本大学医学部皮膚科学教室
1988年 東京大学医学部形成外科学教室
その後東京大学附属病院、都立大塚病院、焼津市立総合病院、国立国際医療研究センター病院に勤務
2003年 みきクリニック市ヶ谷開業

【所属学会】
日本形成外科学会認定専門医、日本抗加齢医学会認定専門医、日本皮膚科学会

取材日:2018年9月28日
みきクリニック市ヶ谷

みきクリニック市ヶ谷
診療科目:美容外科・美容皮膚科・形成外科・皮膚科
〒102-0074
東京都千代田区九段南4-3-7翠ビル地下1

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